コラム

2023/03/09

現場監督は女性が活躍しやすい?職場環境の変化がカギに。

「現場監督」といえば、男だらけの職人たちをまとめあげるガッチリとしたガタイのいい男性現場監督を想像するのではないでしょうか。

しかし実際の建築業界ではオフィスワークがメインの設計だけでなく、現場監督でも女性が活躍するようになってきています。

今回は性別に関わらず職業が自由に選択できるようになった今、女性にとって「現場監督」という職業がどのような環境となっているのかを紹介していこうと思います。

 

 

目次

1.【女性も活躍中】現場監督のお仕事とは?

2.【女性現場監督が増加】最近の建築業界とは?”建築業界が男社会”はもう古い?

3.【女性現場監督の働きやすさ】自分らしく働ける現場環境

4.【女性現場監督の転職】資格を武器に働き続けられる安心感

5.【女性の現場監督・施工管理】求められる人材とは?

 

 

 

1.【女性も活躍中】現場監督のお仕事とは?

「現場監督」の仕事は大きく分けて3つの管理を行うお仕事です。

まず1つ目が「施工の品質」の管理です。現場監督は「施工管理者」とも言われる通り、施工に関する安全性や整合性を現場に常駐しながら確認します。施工が安全性を確保した手順で行われているのか、また図面の内容にあった施工がなされているのかなどを、時に設計者やメーカーなどと打ち合わせながら管理することが現場監督の重要な役割です。

次に2つ目が「工事工程」の管理です。工事工程には基礎工事、鉄筋工事など各種別ごとの工事が存在します。1つの物件に対して工事種別ごとに異なる請負業者が施工するため、現場監督はそれぞれの工事の工期や部材の納品、検査など工事工程に関わる全てを把握していなければなりません。しかし工事中には天候や地中障害物の発生など工期を遅らせてしまうような事態が度々発生します。それらも踏まえ、引き渡しまでに工事を完了できるようスケジュール管理をすることが必要となります。

3つ目が「コスト」の管理です。工事全体でかかるコストを管理する者がいなければ、施工者は赤字となり、施主への追加請求が必要となってしまいます。決められた予算内で建物を完成させるために全体のコストを常に管理し、時には減額案を提案したりすることもあります。

このように現場監督のお仕事は「施工の品質」「工事工程」「コスト」を総合的に管理することが求められます。

 

2.【女性現場監督が増加】最近の建築業界とは?”建築業界が男社会”はもう古い?

元々の建築・土木業界は力仕事のイメージが強く、職人や作業員だけでなく現場監督も男性であることが一般的でした。そのため現場に設置される仮設トイレは和式のものが1つだけ、更衣室なども男性用のみ設置していれば充分とされ、女性が現場監督として働く環境としての整備がなされていませんでした。

しかしここ数年で日本国内では「男女雇用の平等性」や「女性の社会進出」が強く叫ばれるようになり、次第にその声は男社会であった建築・土木業界へも広まりました。大手ゼネコンだけでなく一般企業においても次第に女性の採用が進み、業界全体で「女性も男性と同じように働ける現場環境」の整備が進んでいます。

そして多くの女性が現場監督として活躍するようになった今、企業側も女性現場監督ならではの細やかな仕事ぶりにメリットを感じ始めています。ゼネコンのテレビCMでも女性現場監督を主役にしてるなど、今では「現場監督=男性」というイメージはなくなりつつあるのです。

 

3.【女性現場監督の働きやすさ】自分らしく働ける現場環境

男性イメージの強かった工事現場では、女性雇用の推進に向けてトイレ・更衣室の問題が大きく改善されました。以前は女性が現場を訪れた際は、女性専用の更衣室もなく、トイレは男性が使う和式便所を共用で使うしかありませんでした。ですが今では多くの現場に女性専用の更衣室・トイレが設置され、トイレにはお花などの飾りや芳香剤が置かれるなど「女性も快適に働ける環境づくり」が業界全体で広まりました。

また以前よりも女性現場監督の存在が認知されたことで職人や作業員からの圧力などもなく、女性現場監督ということで顔や名前を覚えてもられることも多いでしょう。現場監督は仕事をする上で特に人柄を重視されるので、相手に覚えてもらえるということは大きなメリットになります。

そして女性にとってとても魅力的なのが、服装などが比較的自由なことです。現場監督は基本的に更衣室でヘルメットと作業着に着替えるため、出勤時の服装は自由であることが多いです。そのためオフィスには少し派手すぎるような色味の服などでも、現場なら大丈夫ということもあるそうです。

このように女性にとって現場監督は自分らしく働ける快適な職場環境といえるでしょう。

 

4.【女性現場監督の転職】資格を武器に働き続けられる安心感

「男女雇用の平等性」が叫ばれる一方で、女性は男性とは異なり、妊娠や出産、子育てなどでどうしても産前・産後休業、育児休業を取らざるを得ない可能性が出てきます。そのため女性にとって「働き続けることができるかどうか」というのは男性よりも重視される問題です。

では女性にとって現場監督という職業はどうでしょうか?それは資格取得が大きな武器となるでしょう。

現場監督として働く実務経験によって、1級施工管理技術検定や一級建築士といった国家資格への受験資格を得ることができます。これらの資格を取得しておくことで、子育てなどの理由により一度離職をしたとしても、自分のライフスタイルに合わせたタイミングでまた転職をして社会復帰が可能となります。

また現場監督として建築へ携わる中で、モデリングや作図の能力も身につけていれば、現場監督としてだけでなく設計職などの新たな建築分野への転職にも活かせるでしょう。

このように建築業界で働く上で、現場監督はとても転職などに有利で学べることの多い魅力的な職種です。そして女性にとって、自分の人生設計に合わせて柔軟に働くことができる安心感が大きな魅力です。

 

5.【女性の現場監督・施工管理】求められる人材とは?

企業側は女性を現場監督として採用するメリットを感じはじめたことで、最近は建築業界全体で女性の採用が積極的に進んでいます。

力仕事など肉体的強みのある男性に対して、女性は家庭でも家事と育児の両立をしたりと全体をバランスよく管理する力に優れていることが多いです。そのため企業側は女性現場監督に対してきめ細やかな現場管理ができ、そして管理者としてはっきりと物言いのできる強い意志を持った人材を求めています。現場全体で適材適所に人員配置をすることで、力仕事などは男性に任せ、女性は女性独自の目線で現場を総合的に管理するなど互いの特性を活かして働くことができるでしょう。

また女性が現場にいるというだけで、トラブルなどによってピリついてしまう場面でも穏やかな空気で解決に進むという場合もあります。そのため女性はピリついた場面でも常に冷静に物事を進められる穏やかな心があると、とてもよい現場となるでしょう。

 

建築業界に女性が増えてきたといっても、まだまだ女性は増え始めたばかりで男性がほとんどであるのが現状です。女性の働きやすさが今よりも注目されれば、今後はより多くの女性現場監督が活躍するようになり、いつしか街中の工事現場でも当たり前のように女性を見かけるような時代が来るかもしれません。

そのため女性現場監督として働くことはまさしく先駆者であり、未来の建築業界の可能性を広げていく大きな役割を担っていると言っても過言であはりません。

現場が女性の働きやすさに向けて改善された今こそ、資格や経験を武器に建築業界を牽引する女性現場監督を目指してみてはいかがでしょうか。

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