【2023年働き方改革により作業環境は変わったのか?新しい建設業のあり方を公開】
皆様は『建設業』に対してどのようなイメージを持っているでしょうか?
建設業は技術力が高く、とても素晴らしい職種です。
しかしその一方で体力的にしんどい、残業が多い、休日出勤があるなど多忙なイメージを持っている方が多いかと思います。
建設業ではこのような問題を改善する為に『働き方改革』が行なわれています。
今、建設業はどのように変わろうとしているのかを探りながら『建設業の現在、そしてこれから』を見ていきましょう。
【目次】
①働き方改革とは?
②今までの問題点
③働き方改革で改善された点
④今後の可能性
まとめ
①働き方改革とは?
一般企業では働き方改革として『時間外労働時間』の見直しが決定しました。大企業であれば2019年4月、中小企業であれば2020年4月から実際に施行されています。
・労働時間は原則として8時間、1週間40時間までとする
・36協定を結んだ場合でも原則月45時間、年360時間とする
・特別条項付き36協定の場合、年720時間までとする
・休日労働を含み1か月の時間外労働を100時間未満とする
・休日労働を含み2〜6ヶ月平均で80時間以内に収める
・月45時間の枠を超える時間外労働は年6ヶ月までとする
※1年単位の変形労働時間制の場合には42時間とする
このように時間外労働の上限を定めることによって作業者の身体的負担を軽減し、働きやすい環境を作り上げました。
では、建設業ではどうなのでしょうか?
これと同じ上限が適用されているのでしょうか?
実際に見てみましょう。
【現在の建設業※2023年】
現在の建設業ではまだ同様の上限は適用されていません。
この理由として、国全体の建設業の状況から2019年という早期に適用するのが難しいと判断された為です。
当然、上記のような制限を設けてしまうと作業そのものは中々進まなくなってしまいます。人員が少ない建設業では余計に影響が出てしまうでしょう。
そこで決まった規約は『5年間の延長』というものでした。
早期に適用することが難しくとも、現状のままでは作業者に大きな負担がかかってしまいます。
なので建設業では5年間の内に作業環境を整え、2024年4月には一般企業同等の働き方改革の規約を適用されるようになります。
この5年間の猶予で建設業は大きく変わりつつあります。
建設業での働き方改革の内容は以下のものとなります。
・一般企業と同じすべての上限規制を適用とする
・復興、災害時の復旧に関わる事業の場合には『1ヶ月100時間未満とする』『2〜6ヶ月平均で80時間未満とする』は適用されないものとする
このようになっており、ほとんどは一般企業と変わらない上限規制が適用されます。
災害など復旧に関わる場合のみは例外となっていますが、適用されれば確実に今よりも良い作業環境となるでしょう。
②今までの問題点
建設業では人材不足や長時間労働が大きな課題となっており、長年ずっと悩まされていました。
少子化問題も相まってしまい、平均年齢は40〜60代と年齢層も高く、若者の人員が圧倒的に不足しています。
また時間外労働時間を含む労働時間も、生産業の中で最も多く30時間以上働いているというのが現状です。
仕事量が多い中、人手不足もあり週休2日制を取り入れている会社も多くはありません。
建設業に興味を持っている若者は多く、仕事として就きたいが労働時間、給料、休日の少なさなど仕事環境が原因でなりたくてもなれないというような風潮が出来てしまっています。
③働き方改革で改善された点
働き方改革では、前項で説明したように時間外労働時間の上限が2024年4月から適用されるようになりました。
それにより、少しずつではありますが2023年の現在から建設業に興味を持っている方が建設業を選んで頂けるような流れができつつあります。
上限が適用されれば身体的な負担は大きく軽減され、人手不足だった建設業にも人員が補充されやすくなります。
2023年でこのような流れができつつある、ということは2024年4月の上限が適用される時には今よりも人員などの環境は整っているでしょう。
また、職場や現場でも2024年に向けて労働時間が短縮しても影響が出ないように作業場の改善や見直しが全国的に行なわれています。
今まで『キツい・しんどい』といったようなイメージだった頃の建設業とは比べられないほど状況は変わっています。
④今後の可能性
働き方改革により、今後建設業では多くの人が仕事につき人員不足は解消されるでしょう。
それにより、今後考えられる可能性としては以下のものが挙げられます。
・完全週休2日制を導入する
・給料・賞与の付与、増加
・休日出勤がなくなる
・社会保険への加入がスタンダードに。
人員が増加すれば、当然仕事もたくさんの数を引き受けることができ、結果として会社の利益は大幅に上昇することとなります。
また人手不足問題から解消されるので週1日休みだった会社も週休2日制度を取り入れるようになるでしょう。
この週休2日制は2023年現在でも視野に入れられており、かなり現実的な話として進められています。
休日出勤のリスクも減り、社会保険への加入がスタンダードになれば、さらに安心感が高い職種となります。
それぞれを可能にする為にはどのような取り組みが必要なのでしょうか?
そこで考えた国土交通省はすべての建設業へ向けた『建設業働き方改革加速化プログラム』というものを作成しています。
少し簡潔にまとめてみましたので、実際に見てみましょう。
【建設業働き方改革加速化プログラム】
・週休2日制を後押しする
公共工事における週休2日工事の実施団体や件数を拡大し、民間工事でもモデル工事として試行を行う。
また労務費の補正導入、共通仮設費、現場管理費の補正率を見直す。
週休2日制を達成している企業を後押しし、積極的に評価を行う方針である。
・給与や賞与について
技能や経験に相応しい処遇となるよう、建設技能者の能力評価制度を見直す。
また発注関係団体様や建設業団体に対して労務単価の活用や適切な賃金水準の確保を要請する。
・社会保険について
社会保険未加入の建設企業は、建設業の許可・更新を認めない仕組みを構築し、社会保険への加入をミニマムスタンダードにする。
このようにごく一部のご紹介ですが、国が中心となって建設業の働き方改革を後押ししています。
このことから2023年以降の建設業には大きな動きがあると言えるでしょう。
今まで不安要素であった内容も少しずつではありますが改善が行われています。
【まとめ】
いかがでしたでしょうか?
建設業では『働き方改革』そして『国土交通省の建設業働き方改革加速化プログラム』によって環境が大きく変わりつつあります。
今まで敬遠されてきた業種ではありますが、2023年〜2024年4月にかけて確実にいい方向へ進んでいくでしょう。
この現状を知った若者たちは少しずつ建設業への興味を持ち、実際に就職する方も増えています。
今は人員不足となっているかもしれませんが、時間が経てばこのような問題も改善される筈です。
建設業はまさに今の時代の最先端の仕組みを取り入れており、国も注目している職種であることは間違いありません。この大きな流れにのれるのは今しかないかもしれません。
確実に良くなってきている『建設業』
あなたも少しでも興味を持っていただけましたら是非一度調べてみてはいかがでしょうか?
最後までご覧頂きありがとうございました。
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