建設業界のイメージは?と聞くと、よく言われるのが「3K(きつい・汚い・危険)」ですが、現場監督の仕事にもそのようなイメージがつきまとうでしょうか。
現場を監督するのだから、かなり激務ではないだろうかと人に言われ、働こうと思っても「大変そう」だから、やめておこうかなと思う方もいらっしゃることでしょう。
現場監督に限らず、どのような仕事でも状況次第で、キツイ、つらいと感じてしまうことはあります。
そこで、それらの理由を知れば現場監督の会社選びの時に、役立てることができることと考え、今回は現場監督の仕事がつらい理由、現場監督を続けるメリットなどについて解説していきます。
目次
1-1 工期スケジュールの調整
1-2 工事に関わる経費や予算の調整
1-3 事務処理作業
1-4 工事現場の安全管理
2-1 業務量がかなり多い
2-2 時と場合によって休日出勤がある
2-3 雑用も現場監督の仕事
2-4 暑い寒いなど、気象条件が厳しい現場
2-5 予算と工期のプレッシャーが半端ない
2-6 職人さんとの関係性維持が大変
2-7 現場を同時に複数担当することもある
3-1 建設業界の高齢化と人材不足の状況
3-2 最新システムの導入で、現場の環境改善が進んでいる
3-3 人材不足で条件の良い会社へ転職も可能
■現場監督の仕事とは?
現場監督の仕事とは、工事現場での工程スケジュールや建築物の品質、そして安全面の管理や費用の原価管理を行います。
仮に工程スケジュールの遅れが出れば、迅速に対応するのも現場監督の仕事です。
具体的に現場監督がどのような仕事をしているのかを解説していきます。
◇工期スケジュールの調整
工期スケジュールでは、工期内で工事を終了させるために人員や資材の調整、予算配分などを効率的に進めていきます。
工期を厳守することは、現場仕事ではクライアントの信頼関係を保つために必要不可欠なことですから、現場監督にとって重要な業務です。
定期的に、工程に遅れが出ないように確認し、早めの対策を施し工期に遅れが出ないようにしていきます。
◇工事に関わる経費や予算の調整
工事に関わる予算管理も現場監督の大切な仕事のひとつです。
現場の状況に応じて、人件費や資材費を計算し予算を立てていきますが、状況の変化によってはさらなる人件費や機材が必要になる可能性もあり、日頃から予算内で収まるように管理をしていきます。
◇事務処理作業
現場監督の仕事は、工事現場だけでなくオフィスでの事務作業も行います。
効率を考えた施工プランの作成、それに関する書類の作成や工期スケジュール作成など書類づくりをする事務作業も多岐に渡っています。
◇工事現場の安全管理
建設現場では、さまざまな事故のリスクが隠れていますので、建設スタッフが安全に作業を進められるように、常に現場の安全管理を行うのも現場監督の仕事です。
■現場監督の仕事が大変でつらいと感じる理由
現場監督の業務上、仕事がつらいと感じる理由の主な事柄を解説していきます。
◇業務量がかなり多い
業務量の多さも「キツイ」と言われる理由です。
現場での工程管理以外にも、スタッフの安全管理、建築物の品質管理、原価の管理、工事日報の執筆や書類の作成、現場の進捗状況の写真撮影、近隣住民への挨拶回りなどもあります。
日中は現場で体力を消耗し、夕方からは事務作業に追われますので、つらいと感じることもあるでしょう。
◇時と場合によって休日出勤がある
現場仕事は天気に左右されることも多く、完成日が決まっていることから残業が増えることがあります。当然ながら、現場監督もスタッフと同じように現場に出なくてはなりませんし、現場仕事が終われば事務処理作業が待っています。
現場の残業が続くと、体力的にもきつく事務処理作業を、休日に出社して行うことも増えていくでしょう。
また、完成間近は繁忙期となり休日出勤が続くこともあり、プライベートな時間もなかなか持てないことがあります。
◇雑用も現場監督の仕事
現場スタッフの労働環境を整備するのも現場監督の業務になっています。
労働環境整備には、現場のごみ捨て、掃除、飲み物の準備など、雑用仕事も含まれており、現場管理の仕事とは思えないこともしなければならないことがあります、
◇暑い寒いなど、気象条件が厳しい現場
現場監督は管理業務がメインの仕事ではありますが、現場スタッフの労働環境を整備するのも現場監督の業務になっています。
こうした環境下で、完成まで現場監督の仕事をしていくため、体調を崩しやすいことがあり、厳しい環境下で働くこと自体がきつく感じることもあるでしょう。
◇予算と工期のプレッシャーが半端ない
若手の現場監督にとって、予算規模の大きいプロジェクトの担当になりますと、工期までに安全と品質と予算の管理をして完成させるプレッシャーは、計り知れないモノになるでしょう。
また、工期に間に合わせるため、スタッフに無理な注文を強いることもしなければなりません。
これは、若手の現場監督にとって年上のスタッフに指示を出すのも一苦労しますし、工期が遅れれば、上司やクライアントに叱責され、プレッシャーを感じる日々を過ごすことにもなります、
◇職人さんとの関係性維持が大変
現場スタッフの職人さんの中には、こだわりの強い人や癖のある人もいて、接しにくい場合も少なくありません。
現場監督として信頼され、普段からのコミュニケーションがきちんと出来ていますと、良い関係性を築くこともそれほどは難しくはないのですが、若手のうちはなかなか対応が難しく感じてしまい、つらく感じることもあるでしょう。
◇現場を同時に複数担当することもある
現場監督の経験も増えてくると、複数の現場を同時に受け持つことが増えて、その分多くの業務とリスクを抱えるようになります。
自身の行うべきタスクをきちんと管理しておかないと、キャパオーバーとなり重要な現場の管理がうまく運ばなくなり、それがつらく感じることになります。
■つらくても現場監督を続けられる理由
現場監督の仕事をつらいと感じるのは、仕事に対する不満があるからではないでしょうか。
仕事に対する不満は、どのような職種にも多かれ少なかれあるものです。
不満を、どうしたら改善できるかの方法を考えて、出来ることから実行することで、
つらいと感じていたことも少しずつ解消されていくでしょう。
現在、以下のような事例で改善対策も進んでいますので、参考にしてみてください。
◇建設業界の高齢化と人材不足の状況
現在、建設業界に携わる人材の高齢化と若手の人材不足が深刻な状況です。
国土交通省の調べによると、2025年には40~90万人前後の人材が不足するといわれています。
こうした状況は、現場監督として働く若手世代にとって、今後のベテラン社員の退社により、昇進できる機会に恵まれることでしょう。
つまり、近い将来に給与アップも期待でき、現場監督の仕事を続けるメリットもあるということです。
また、建設業界自体も週休二日制の導入など、労働環境の見直しも行われつつあり、働きやすい環境確立の可能性が出てきています。
◇最新システムの導入で、現場の環境改善が進んでいる
建設業界の現場では、AIやIoT(モノのインターネット)、ICT(情報通信技術)などの最新システムの導入で業務効率化も進んでいます。
これらが至る所で導入されることで、労働時間効率化や生産性向上が期待されていくでしょう。
◇人材不足で条件の良い会社へ転職も可能
現在の建設業界では、人材不足による年収ベースの高騰や多くの人材が必要な大手ゼネコンに転職できる可能性も増える傾向にあります。
働く現場の環境の改善が難しければ、能力を活かしてスムーズに転職できる可能性が高いのも現場監督業務の特徴です。
■まとめ
現場監督の仕事量は多く、人間関係も難しい職務かもしれませんが、建設業界は人材不足を解消するため労働環境と待遇面の改善に取り組んでいます。
近い将来、他業種のように働きやすい業界に変化し、現場監督の仕事にも変化が起きるかもしれません。
それでも、つらいと感じたときは、思い切って転職を考えるのも良いでしょう。
そういう場合は、転職エージェントに相談されることをおすすめします。
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