施工管理の仕事に興味を持ったものの
「どのくらい稼げるの?」
「将来性は大丈夫なの…」
といった、疑問や不安を持っている人は多いのではないでしょうか。
そもそも、施工管理に関して『どのような資格があるのか』についても、よくわからない方もいるかと思います。
この記事では、施工管理の仕事に興味をお持ちの方に向けて、
施工管理の資格や、その収入と将来性について詳しく説明していきます。
目次
そもそも「施工管理」とは、何なのでしょうか?どんな仕事を行うのでしょうか?
「施工管理」とは、建設工事の現場技術者を指揮監督して、工事全体の管理を行うことをいいます。
建設工事で働く作業員や技術者などをまとめて現場を指揮し、工事スケジュールや安全面、品質面など、工事全体をまとめて進捗させる業務を担います。
似たような職種として「現場監督」がありますが、資格の有無と業務内容によって区別されます。
・資格の有無:無資格でも可能。
ただし、国家資格「施工管理技士」資格を有する従業員を各工事現場に最低1人配置することが必要。
・業務内容:工事全体を管理する。オフィスワークも多め。
・資格の有無:資格の必要なし。
・業務内容:作業員への指示や工事の進捗を管理。現場常駐がメイン。
「施工管理」は「現場監督」よりも行う業務の幅が広く、責任も重くなります。
さらに、各工事現場に最低1人の「施工管理技士」を設置することが必要になります。
このように、国家資格である「施工管理技士」の資格は、工事現場に必要不可欠なものになります。さらに、この資格を有していると、高収入が期待できます。
施工管理自体は資格がなくても行えますが、施工管理資格には「施工管理技士」という資格もあります。
「施工管理技士」は国家資格になり、
「施工管理技士」の資格を取得するためには、
国土交通大臣指定機関が実施する「施工管理技術検定」の「第一次試験」と「第二次試験」の両方に合格する必要があります。
「施工管理技士」は扱う内容によって7つの資格に分けられ、検定試験を実施している団体も異なります。
さらに、各資格には1級と2級があります。
1級の方が2級よりも規模の大きい工事の施工管理をすることができますが、その分2級よりも試験の難易度が上がります。
また、「施工管理技術検定」の1級は、だれでも受けられるわけではありません。
受験には受験資格要件があり、所定の建設工事での実務経験年数を満たす必要があります。
受験資格要件となる所定の建設工事や実務経験の年数は、7つの資格ごとにそれぞれ違います。
受験する際には、きちんと確認しておくようにしましょう。
「施工管理技士」の資格は、扱える工事対象によって7種類に分けられます。
仕事内容や対象になる工事、試験実施機関は、以下のとおりになります。
1)建築施工管理技士
建築施工管理技士は、大規模あるいは施工内容が複雑な一式工事の施工管理を行います。
●対象工事:マンション、住宅、ビル、公共施設、商業施設などの新築・改修工事
【試験実施機関:建設業振興基金】
2)土木施工管理技士
土木施工管理技士は、人々の生活を支えるために必要なインフラ工事の施工管理を行います。
●対象工事:道路や河川、橋、トンネル、ダムの施工、災害時の復旧工事
【試験実施機関:全国建設研修センター】
3)電気施工管理技士
電気施工管理技士は、電気設備工事の施工管理を行います。
●対象工事:照明や変電・送電設備、配線や信号などの新設・改修工事
【試験実施機関:全国建設研修センター】
4)管工事施工管理技士
管工事施工管理技士は、建物の配管設備工事の施工管理を行います。
●対象工事:空調設備やガス配管、上下水道設備、浄化槽などの新設・改修工事
【試験実施機関:全国建設研修センター】
5)造園施工管理技士
造園施工管理技士は、文字通り庭を造る工事の施工管理を行います。
●対象工事:学校、庭園、公園などの工事・道路緑化工事
【試験実施機関:全国建設研修センター】
6)建設機械施工管理技士
建設機械施工管理技士は、クレーン車やブルドーザー、油圧シャベルなどの建設機械を使用する工事現場の施工管理を行います。
●対象工事:建築工事・土木工事問わず、建設機械を使う工事現場を担当
【試験実施機関:日本建設機械施工協会】
7)電気通信工事施工管理技士
電気通信工事施工管理技士は、通信設備工事の施工管理を行います。
●対象工事:インターネットや電話、防犯カメラなどの設置工事
【試験実施機関:建設業振興基金】
施工管理技術者の収入は、年齢や働いている企業の規模によって、大きく異なっています。
ちなみに、現場監督として働く人の年齢別の収入は、次のようなものが一般的になっています。
・20代前半(20〜24歳):約280~300万円
・20代後半(25〜29歳):約300~350万円
経験が浅くスキルも未熟なため、年収が低くなっています。
・30代前半(30~34歳):約290~390万円
・30代後半(35~39歳):約350~450万円
豊富な経験とスキルが年収に結びつきます。
・40代前半(40~44歳):約380~500万円
・40代後半(45~49歳):約430~560万円
40代はベテランの域に入るため年収はかなり高くなりますが、建設業の年収のピークは40代になります。
・50代:約500~600万円
50代では現場責任者や管理職を勤める人もいるため、年収は高めになっています。
その外にも、大卒か高卒かといった学歴によっても、年収が変わるケースがあります。
施工管技士の年収は、保有資格や能力、年代で大きく変わってきます。
・20代:300~400万円台
資格を持っていても大きな仕事の経験が浅かったりすると、現場監督の年収とさほど変わらなくなります。
・30代:400~500万円台
より上位の資格取得や大きな仕事の経験を積むことで、大幅な年収アップが見込めます。
・40代:500~600万円
現場監督と同じように、施工管理技士の年収も40代がピークとなります。
・50代:500~600万円
ピークを過ぎたといっても、50代の収入も安定したものになっています。
1級の資格を持ち、大手建設会社に勤める場合などは高水準の年収ですが、2級や無資格の場合は低くなる傾向にあります。さらに、施工管理職は管理業務が多いので、高卒よりも大卒のほうが高い年収であるケースが多いです。
しかし、施工管理技士の資格を持っていることで規模の大きい仕事ができるので、学歴に関係なく高収入を目指すことが可能です。
気になる、施工管理の将来性についてですが、今後も安心できると考えてよいでしょう。
今現在、高度経済成長期に建設した国内インフラの老朽化が、一斉に起きています。老朽化したインフラ設備の再生費用は50年で450兆円とも言われていて、年額9兆円にもなります。
さらに、今後は次のような大規模な開発も予定されています。
・リニア新幹線
・大阪万博
これらにプラスして、自然災害に対する対策工事の増加も留まることを知りません。
また、団塊の世代の定年によって、建設業界で働く人数も減ってきています。
それによって、施工管理の人材が求められ、収入アップも望めるようになります。
技士不足に対応する形で2021年に新設された資格が、施工管理技士と同じ国家資格である「施工管理技士補」になります。この資格を取得することで、施工管理技士の補佐業務が行えます。
施工管理技士になるためには、検定の第一次試験と第二次試験の両方に合格する必要があります。
しかし、施工管理技士補は、「施工管理技術検定」の第一次検定のみの合格で資格が得られます。
さらに、施工管理技士補の資格にも「1級」と「2級」があります。
1級施工管理技士補の資格を取得していると、大規模工事の施工管理の補佐をすることができるので、企業から重宝がられます。
また、2級施工管理技士補の資格を取得し、セミナーや講習会を受講することで得られる単位「CPD単位」を取得すると、公共工事の入札時に行われる経営事項審査の加点対象になります。「CPD単位」を取得することも、会社からの評価が上がる要因となります。
施工管理技士2級の第一次検定は、受験資格が「満17歳以上」のみになっています。
1級の試験や第二次検定と違って、実務経験の有無が関係ありません。
試験内容も1級に比べて比較的易しくなっています。
すでに施工管理者として働いている方はもちろん、未経験から施工管理の仕事に転職したいと考えている方も、ぜひ「施工管理技士補2級」にチャレンジしてみましょう。
いかがでしたでしょうか。施工管理の資格や、その収入と将来性についてお分かりいただけましたでしょうか。
施工管理の資格を取得することで収入アップが望め、施工管理の将来性も明るいことについてお分かりいただけましたでしょうか。
今よりもよい待遇で働きたい方は、施工管理技士の資格取得を目指すことがおすすめになります。
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